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字幕翻訳者 の戯言 アーカイヴ     78          < リストへ >
スカーレット・ヨハンソン:インタビュー   パート3
 なかなか終わらない「スカーレット・ヨハンソン、インタ ビュー」から発生したこのエントリー、もうこれで終わりにします。
 さて、奥様は魔女の話を出してしまったので、もう一歩踏み込まない訳にはいかなくなってしまいました。「パート2」では「性別的年齢的社会関係的」拘束 力によって日本語に吹き変えたサマンサの人格が変わっている、ということをいいました。ダーリン(ダレン・・・)・スティーブンスとの関係性において対等 さが弱まっているというような意味です。同じことが実はダレンとラリー・テイトの関係にも言えます。歳は20歳近く違って片や若い重役、方や会社の創始者 で社長。でも二人の関係は極めて対等。ラリーは上役の権力を濫用することはありますが、それがギャグになるくらい、実は二人の人間関係は対等です。でも日 本ではそんな対等性はあり得ない。ダレンとサマンサ夫婦も本当はタメグチでいいんですけどね、本来の二人の関係を尊重するなら。でも、昭和40年代の日本 でそれはあり得ない。
 でもこの場合、この巧みな「サマンサの日本人化」あるいは「ダレンの日本人化」が番組がヒットする重要な要素だったのは間違いありません。視聴者が身近 に感じて、即一緒になって笑えなければならない、という条件を見事にクリア。受け入れられるべき商品としての番組に見事に塗り替えられた、ということで す。商品戦略ですよね。ローカライズです。でも結果としてもともとは薄かったサラリーマン上司/部下ギャクが発生しちゃったり、もともとあったかなりギス ギスした丁々発止のギャグが薄くなってたりはします。サマンサもダレンも本当はすごくエゴが強いですからね。でもテレビ番組だから視聴者がつかないことに は・・・。とういうわけで「奥様は魔女」が吹き変えの金字塔であることには変わりはないんです。あの番組にはあの番組の要請があり、それに従ったというこ とです。
 必ずしも一致しない社会的認識の到達点を持つ2つの文化の接点を探す。探さないと、特に映画、テレビ番組の類は受け入れてもらえない。でもこちらに引き 寄せすぎると何か別のものになるかもしれない。失うものが多すぎる。ヤヤコシイですな、文化的なものの翻訳は。
 更に一歩進めると「奥様は魔女」の持っていた古めかしさも日本での人気に一役買っているのでしょうね。第一話というかパイロット版は白黒でまるで映画み たいに撮られた「古き良きハリウッド・ロマンティックコメディ」のノリ。番組のネライがどこにあったかが、パイロットを見るととてもわかりやすい。あの時 代にあってすでに「古き良き」だったものなんですよね。専業主婦になりたい魔女なんて昭和39年でももう時代遅れでしょう。でもアメリカ人全員がヒッ ピー・ ムーブメントに乗っていたわけではないのでテレビを観て喜ぶような視聴者層にはやっぱりちょっと古い感性のコメディが受けたのだと思います。でも時代は流 れ て「メアリー・タイラー・ムーア(独身女性の職場奮闘記)」とか「マッシュ(朝鮮戦争野戦病院のブラックな日常)」とか「ボブ・ニューハート(心理学 者の日常)」とか「ジェファーソンズ(黒人一家の日常)」の方に視聴率は移っていったわけですが。
 で、日本ではこの「専業主婦」がやっぱり受け入れられたのではないか、と。日本のお茶の間の日常にシックリきたんでしょうね。理想化されたアメリカ中流 家庭の様子とかサラリーマンのゴルフ接待などといったちょっと「夢」の部分とか。そこに上手に日本人化されたダレンやサマンサが日本のお茶の間のハートを 掴んだの ではないか、と思います。
 「スカーレット・ヨハンセン」どこにいった?というエントリーになってしまいました。
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