Dean Shimauchi Translation
ディーン・シマウチ翻訳事務所
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字幕翻訳者 の戯言 アーカイヴ     85          < リストへ >
Little DJ 小さな恋の物語
 今2007年10月11日にこのエントリーを書いていま す。もうすぐ東京国際映画祭が始まります。関係者は皆多忙の9〜10月です。去年の東京国際には当事務所で字幕翻訳をした映画が3本上映されました。「長 い散歩」と「有明海は今」そして「ヨコハマ・メリー」です。「散歩」と「メリー」は東京に来る前に他の国の映画祭を廻ってきたので、字幕の翻訳はすごく前 にやったのですが「有明海」はかなり切羽詰った時にやりました。
 今年は東京国際向けに2本やりましたが、それなりにいいスケジュールを組んでいただき、しんどくも楽しい9月でした。
 その2本のうちの1本が「Little DJ」です。すでに小説の方で多くの人を泣かせているようですが、映画も大丈夫。泣けます。まだ公開前なので詳細は書きませんが、ともかく涙腺緩みっぱな しです。私は「映画で泣いてたまるか!」という硬派な男のガキみたいな心情を持っていたのですが、親になってからはもう「もう、どーでもいい」とばかりに 泣ける映画で泣きまくっております。だからこの「Little DJ」を観ると、まず和解する前に親を失う子の気持ちで泣き、親を失った友を思う気持ちで泣き、子を失う親の気持ちで泣き、親と別れる子の気持ちで泣き、 好きな人との別れに耐える気持ちに泣き、自分の人生を変えた人を失う気持ちを慮って泣き、大人になってから過ぎた日の喪失を思って涙する気持ちに泣き、も うボロボロです。
 「Little DJ」はラジオがとても重要な装置として登場します。だから21世紀の話ではなく、1970年代の話でなければならなかった訳ですが、その選ばれた時代が 1977年という、私の子供時代 の思い出深い年であったのも私の涙腺を破壊した要素だったかもしれません。病気と闘う少年の部屋にはドカベン単行本が並び、電車の形式プレート(クハ 481ー 105とか)やレコード(CDではないですよ、若いみなさん)、白いギターなど、時代のアイテムが転がっている。C-110のケンメリ・スカイラインが走 り、少年のスポーツと言えば野球。サッカーなんて誰もやらない、外国のスポーツだった時代ですから。で、そのレコードがクイーンだったりするのが私の少年 時代への憧憬を 思いっきり刺激するわけです。「マカロニほうれん荘」で知ったクイーンを姉が持っていたことに衝撃を受けたあの頃・・・。もう映画が泣く展開になる前に既 にすっ かり地盤が緩んでいる私の心を「Little DJ」の泣かせる展開が襲い、もう私の心は地滑り土砂すべり。翻訳しながら泣くオッサン、というのも個人事務所ならではですね。打合せのとき「泣いたら どうしよう」と心配でした。捨次役の松重豊がスバラシイ。もちろん神木隆之介君にも福田麻由子さんにも泣かされるんですが、やはり上質の子供映画は背後の 大人によって活きるのだ、と確信しました。いつもステディカムで動いてるカメラもとても素晴らしいです。
 「Little DJ」のラストは神格化された(大袈裟ですが)DJとの対面、という「アメリカングラフィティ」的な結末です。このヒロインが対面する伝説的DJは当然 「スネークマン」氏が演じておら れます。「アメグラ」といえば最後の方でノッソリと登場してオイシイところをさらったウルフマンジャック。日本のメディアでは「伝説的なDJ」ということ になっていて、その人が今はAMF(American Forces Network)として知られるFEN(Far East Network)の夜の番組でフツーに毎晩喋っているのを聞いてガキだった私は「まだ生きてんの?」なんて不遜なことを思ったのも、すでに20年以上前の こと。FENという 放送の夜の番組がいかに「オッサン向け」だったか、ということに当時は気づかなかったわけですが、アメグラ世代のジョージ・ルーカスは1944年生まれ で、アメグラは1962年の話(ルーカス20歳の夏)ですから、私が「ウルフマンってまだ生きてたの?」と思った1984年にはルーカスすでに42歳。も うオッサン ですよ。ポップカルチャーはその頃すでに中年だった訳です。少年の私は中年になっていたポップカルチャーに憧れていた、ということですね。
 すごく逸れてしまいましたが、この「Little DJ」も、それに近い理屈でオッサンの郷愁をそそりまくるのでした。でも若いお客さんでも大丈夫。クイーンはキムタクのドラマで知った、とかいう人でも ちゃーんと泣けます。東京国際会場のTOHOシネマズ六本木ヒルズは涙の雨が降るでしょう。
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