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字幕翻訳者 の戯言 アーカイヴ     97          < リストへ >
乱歩地獄
 「Rampo Noir」として海外でとても多く露出があり、またDVDで多く観賞されたようです。4つの短編から成るオムニバスのこの作品、すべて江戸川乱歩の小説に 題材を得ています。
 浅野忠信氏が全部の作品に現れ、あるときは明智小五郎、あるときはバイ菌恐怖症の青年、として大活躍。怪人二十面相の松田龍平のかっこいい存在感。小林 少年もダブルキャストで中村友也と、なんと韓英恵。Internet Movie Databaseの感想を読むと「Since I fell in love with her my life has been hell.」という「蟲」の字幕からの引用があり、嬉しい限り。

 この「蟲」を最初にやったのですが、う〜ん、不思議な昭和感覚が素敵。木下芙蓉さんのデザインと立居振舞いがとても魅惑的。最後の方、とてもグロイです がユーモアの感覚がブラックでいいですね。ユーモアがないと救われないお話ですからね。彼女と二人きりの天国/地獄からお巡りさんに引っ張り出された青年 が「え」というのをOUTにするか「What...?」という字幕をつけるか悩み、つけましたがimdbのコメントでそれが引用されていてブラックなオチ が最高みたいなことが書かれていたので、よかったんでしょう。

  次には「芋虫」をやりました。佐藤寿保監督の目が眩むような恐ろしい世界。ハイコントラストの照明が観るものをテンションの高い次元に誘い ます。光を直接レンズに向ける表現が多く、その「暑い」効果がすごく緊張感を高める。話そのものも痛々しいですからね。その非現実的な感覚が光の演出と緊 張感溢れる演技(岡元夕紀子と大森南朋!)そして大友良英のけだるいノイズ音楽で高められています。この作品集の中で一番完成度が高いのがこの「芋虫」か もしれないですね。耽美的な圧迫感が痛くて気持ちいい、という感じです。最後二十面相がパノラマ島に芋虫と化した男女を引きずって消えて行きますが、来る べき明智小五郎との対決を感じさせてすごくワクワクします。もちろん、続きはないんですけど。

  そして実相寺御大の「鏡地獄」は鏡の洪水。万華鏡を覗いているような目が廻るような感覚。「鎌倉」という字幕が鏡写しで逆さに出てきて「ど うしよう!」と思いましたがもちろん英語の字幕は逆焼きにはせずにいきました。鏡の中に入る、という気が狂いそうな行為を実践してしまう鏡に魅せられた男 の悲劇は、最後は美しく砕け散るのでした。

 仕事の順番は「蟲」→「芋虫」→「鏡地獄」でしたが正しい上映順は「火星の運河」→「鏡地獄」→「芋虫」→「蟲」です。で最後にゆらゆら帝国の「ボーン ズ」がフニャフニャと流れ出して、これが絶妙の味わい。「あの好きだったレコードを聴きながら 時計の役目は終わった 終わった」という歌詞を英語 に・・・。ちょっと大変でした。歌はいつも大変です。  ちなみに火星の運河は台詞ないので字幕もなしです。  このような新しい才能による変わった試みが見られる作品はゾクゾクします。いいですね。
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