Dean Shimauchi Translation
ディーン・シマウチ翻訳事務所
仕事歴:字幕翻訳の戯言 < DeanShimauchi ホーム
ホームページ
プロフィール
仕事歴
劇映画字幕
ドキュメンタリー字幕
テレビ番組字幕
ショートムービー字幕
日本語→英語字幕起こし
DVD字幕
プレス資料など
書籍翻訳
翻訳料金

翻訳料金

お問合せ
info[at]deanshimauchi.com



twitter

字幕翻訳者 の戯言 アーカイヴ     149          < リストへ >
GANTZ
 GANTZの英語字幕をかなり前にやりましたが、その間に海外でもBlu-Rayが発売され、 日本でもテレ ビ放映を控えるというほど時間がたってしまいました。
 さてGANTZ、元々のマンガは、連載当初からその凄惨なお話と緻密で妙にエロマンガに親和性の高い絵で他のマンガと一線を画していました。巨乳につく 擬音が「タプン」とかね・・・同人誌みたいだな、と思いましたよ。でも一方で、その容赦なさは衝撃的で、目先の利益に駆られて右往左往しながら結局惨殺さ れるためだけに出て来る登場人 物たち、というのがとても堪えましたね。一回死んだ人が集まって、また痛そうに殺される。意地悪なマンガだと思うんですが、戦闘スーツを着て闘う相手も長 ネギ持った気持ち悪そうな子供で、どう考えてもイジメてるとしか思えない。集団リンチと同じ心理状態になっていく、というのがGANTZの世界の正義の無 さを端的に示していて、怖かったですね。2000年に日本で始まったマンガとして 、とても的確というか当たりすぎて吐き気がするというか。荒涼とした精神世界が衝撃的でした。極限状態の人間ドラマというのはいくらもあるわけですが「終 わり無き日常」世代は、一度死んで理由 もわからず星人と闘わされるというのが極限状態なんだなあ、と。それでドッキリカメラかと思うとか、妙なところがとてもリアルで、そのリアリティゆえに突 飛な異世界の気味悪さがなお更際立って いたのです。
 そういうマンガを映画の原作に据えるにあたって、考えるところはいろいろあったでし ょうが、何と企画の肝は「二宮和也」!そう、嵐のアイドル映画として映画の企画は成立した、とい うのが興味深かったです。アイドル映画にしては血みどろなわけですが、そういうのが成立するとこ ろが時代だなあ、と。マンガ原作映画御用達の松山ケンイチと併せて無難な配役。アイドル映画である以上は凄惨な血を血で洗う戦いだけやってればいいとは行 かなくなるわけで、そこに大衆にアピー ルする仕掛けが入ってくるわけですが、アイドル映画としてのGANTZと原作マンガの開きが楽しいところでした。
 アイドル映画というと角川の薬師丸・原田・渡辺三人娘とか山口百恵とかいったものを 思い起こすわけですが・・・いつからあるんだろう。吉永小百合もアイドル映画と言えるのかな?6 0年代ですよね。その前はどうだったのか。加山雄三も石原裕次郎の映画もそうでしょう。そういう意味では「幕末太陽傳」もアイドル映画だったと見ることが 出来るか。南田洋子さんと合わせて。加山若大将と言えばやはりエルビスから来てる企画ですよね。エルビスもアイドル映画だった。その前はあったのか?私は 無学にして知りませんが、恐らく「映画以外のポップカルチャー的スター(アイ ドルです、要するに)」の存在がないと、その人が映画に出る、という文脈が生まれないので、アイ ドル映画というのは成り立たないのか?とするとエルビスとか、映画以外のポップカルチャー産業の勃興に伴ってアイドル映画というのは栄華を極めたのか。シ ナトラが「錨を上げて」とか「踊る大紐 育」をやったのも同じようなものとして受け入れられたのだろうか。映画以外の業界の人気者が映画 にでるのがアイドル映画の条件なのだと仮定すると、尾上松之助も舞台の人気者ということである種 「アイドル」だったんだろうか。テレビの無い時代はアイドル映画のもった意味は全然違うものだっ たでしょうし、色々考え始めると止まらないですね。まあGANTZをやってアイドル映画とは何ぞや? ということを考えてしまったわけです。
 血みどろのマンガにかなり正直にやったのがGANTZパート1 。世の中をなめ切ったガキという主人公のキャラクターはさすがに違うものになりました。もっと社会的広がりのある役回りで、就職氷河期で苦しむクロノ君と いう・・・これまたある意味極めて2010年の 日本に正直なものになりましたね。ちょっとアイドル映画っぽくない第一部だったのでした。

< リストへ >
Dean Shimauchi Translation Service ©2012 all rights reserved
ホームプロフィール
劇映画字幕ドキュメンタリー映画字幕テ レビ番組字幕ショートムービー字幕日本語→英語字幕DVD字幕
プレス資料etc.書籍翻訳翻訳料 金
戯言アーカイヴ