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字 幕翻訳者の戯言 アーカイ ヴ     157          < リスト へ >
ラブホテル
 日活100周年にあわせて(ということは 2012年ですか)いくつか日活映画に英語字幕をつける仕事をいただきましたが相米監督の「ラブホテ ル」もその一本でした。石井隆脚本の名美と村木が出てくる『天使のはらわた』シリーズの最初の一本とい うことになるのでしょうか。速水典子と寺田農が非常に哀しい、なによりうらぶれた存在感を全開にしてお り、それを相米さんのカメラが冷酷かつ愛情たっぷりに凝視するという、見終ってから一杯やりたくなるよ うないい映画でした。「ラブホテル」は1985年の作品なので、当時急速におしゃれになりつつあっても まだモッサリした日本が映っております。大林監督の「転校生」をやったときも同じ反応をしたわけです が、当時の髪型、当時のファッション、当時の自動車、当時電話の持っていた意味、当時のアパートの間取 りとか家具調度類、といったものがあまりに急速に忘却の彼方になってしまったことに衝撃を受けます。ま あ30年経っているんですが・・・。そして、何といってもこの映画の場合は、当時の喋り方ですね。「て か!」とかいう懐かしいのが出てくるんです。「何でそーなるの!」とか「おっとー」とか。文字で読んで も何だかわかりませんが、まさに「時代の音」なわけです。そういうことを言わされている役者さんたち が、必ずしも全員「流行言葉」を言っているという自覚がないところがまた面白い。ただの台詞として読ん でいてイントネーション等が正しく人がいたりするんですね。それを監督さんは無視、なのかそれは重要で はないと判断されたのか、はたまたテレビはあまりご覧にならなかったのか。言葉は古びるのが早いです ね。しかしまさに1985年の音として記録され、永遠に残るわけですよ。だから後で聴いて赤面しても、 大変に意義のあることだと思いました。アパートが狭く て暗い、とかいうのも痛々しいですね。まだ建築規格が畳の長さを基準にしているので、ドアも狭いし天井も低い。それはちょっと前までは普通の日本の情景 だったわけで、そんなことも見事に記録されています。これはまさに同時代に咲いたあだ花であるトレン ディドラマが一生懸命否定して、ファンタジーの日本を作り出し消費拡大に一役買ったのとは正反対のベク トルだったわけです。日本人が見たくなかった日本の足元。狂乱の時代の前の、何とも寂しげな、うらぶれ た日本がそこにあり ました。

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